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熊本市 スタッフKの自邸紹介
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今回は、中古マンションをリノベーションし、新しい暮らしの場としたY’s DAYスタッフの自邸の紹介です。
リノベーション業者との打ち合わせを重ねるなかで、間取りや素材、光の入り方など細部にまで目を向けながら、自分らしい日常を描いていきました。
既存の箱を活かしつつ、仕上げや構成を見直すことで、空間は余白と温度をまとった暮らしの場へと生まれ変わります。
そこからどんな家具を選び、どう収納を整え、暮らしを組み立てていくか――。
この住まいには、リノベーションの先に広がる暮らしのヒントが込められています。
▼ 目次
コの字型キッチンからはじまる日常
住まいの中心に据えられたのは、モルタルで仕上げた造作のキッチン。
コの字を描くように設計されたキッチンとダイニングが、暮らしの中心を形づくっています。
カウンター下には収納が設けられ、鍋や器、日用品までが整然と収まっています。
扉を設けないオープンなつくりは、必要な道具がすぐに手に届く機能性を備えつつ、並び方や素材の質感までもが空間の一部として映し出されます。
日々の暮らしで使い込まれたものたちが静かに整列することで、暮らしの痕跡がやわらかく滲み、キッチンに穏やかな空気が広がります。
カウンターの内側に立つと、リビングの景色がゆるやかに広がっていきます。
ソファや椅子、窓辺の緑がひとつの風景となり、視線の先に暮らしの輪郭が描き出されます。
段差がつくる場のリズム
ダイニングとリビングは、わずかな段差によってやわらかく分けられています。
一段高く設けられたステージにダイニングが広がり、下がったフロアにはリビングがゆったりと構える。高さの違いは壁で仕切るよりも穏やかで、空間をひとつながりに保ちながら、それぞれの場に役割を与えています。
視線は抜けていきながらも、過ごす時間のリズムは切り替わる。
その緩やかな境界が、暮らしに奥行きをもたらします。
自分の暮らしで試す、暮らしの実験室
ダイニングから緩やかにつながったリビングスペースは、いくつもの表情を持っています。
腰を沈めてくつろぐための場所。
好きなものをそっと並べ、自分だけの景色をつくる場所。
お香に火を灯し、心をそっと整える場所。
それぞれが無理なく寄り添い、ひとつの空間のなかで重なり合う。
過ごす時間や気分に合わせて切り替わり、また溶け合う。
そんな緩やかな多層性こそが、このリビングの心地よさを形づくっています。
ここにある家具の多くは店で扱うもの。
家具をどう配置するか、椅子をどれにするか、照明の高さをどう定めるか――そのひとつひとつの選択が、空間の表情を決めていきます。
日常のなかで試みた小さな実験は、やがてリアルな体験としてお客様へ届けられる。
この住まいは、暮らしと仕事がゆるやかにつながる実験室でもあるのです。
壁の向こうに広がる寝室
リビングに見えていたグレーの壁は、寝室との境界をつくるための仕切りでもあります。
完全に閉じ切るのではなく、緩やかに空間を区切ることで、住まい全体の一体感を保ちながら、眠りのための場所を確保しています。
その奥に広がる寝室には、大きなベッドが据えられ、ヘッドボード代わりの壁にはニッチが設けられています。
本やアロマ、ちょっとした小物が自然に収まり、就寝前のひとときを整えてくれる。
リビングから続く視線の延長にありながら、壁一枚で役割を切り替える――そんな構成が、住まいのリズムをやわらかく形づくっています。
ものが居場所を得た空間
決して物が少ないわけではありません。
それでも空間がすっきりと整って見えるのは、器や道具、本や植物といった一つひとつに居場所が与えられているから。
あるべきものがあるべき場所に収まることで、部屋は静かな秩序をまとい、暮らし全体に心地よいリズムが生まれていきます。
「何を持つか」よりも「どう置くか」。
そんな視点が、住まいの印象を大きく変えていく。
雑貨や道具、設備に至るまで――この住まいをかたちづくる要素すべてが、その思想を物語っています。
暮らしを重ねていく場所
リノベーションで形を変えたこの住まいは、そこで重ねられる時間によって息づいています。
キッチンからリビングへ、そして寝室へ――段差や余白、家具や雑貨が織りなす連なりの中に、暮らしのリズムが生まれていきます。
小さな選択の積み重ねがこの家を更新し続け、この家を絶えず更新し、やがてひとつの風景へと育てていく。
住まいはいつだって、そこで過ごす人とともに育ち続ける――この家が静かに語りかけてくれるのは、そんな暮らしの“あり方”です。
Y’s DAYではインテリアコーディネートを無料で承っています。
今回ご紹介した部屋に住むスタッフKがコーディネートをご提案することもできます。
お気軽にお問い合わせくださいませ。